1. 試験概要

目的 日本人のATTR-CM患者を対象にビヨントラ®の有効性、安全性、忍容性、薬物動態(PK)及び薬力学(PD)を評価する。
対象

症候性の野生型又は遺伝性ATTR-CMを有する日本人患者 25例

方法 スクリーニング期に適格性が確認された患者に、ビヨントラ錠800mgを1日2回、12ヵ月間経口投与した(Part A)。Part Aの最終来院(12ヵ月)後、患者はPart B(Part A後18ヵ月間)に移行し、ビヨントラ錠800mg 1日2回の経口投与を継続した。治療期での30ヵ月間の投与及び最終評価を完了した後、患者は継続投与期に移行し、ビヨントラ錠800mg 1日2回の経口投与を継続できることとした。 flowchart
主要評価項目
  • 12ヵ月時点までの6MWTのベースラインからの変化量
  • 30ヵ月時点までの投与期間中の全死因全死亡及び心血管症状に関する入院
副次評価項目
  • 6MWTのベースラインから18、24及び30ヵ月時点までの変化量
  • KCCQ-OSのベースラインから18、24及び30ヵ月時点までの変化量
  • 血清TTRレベル(TTR安定化のin vivoの指標)のベースラインからの変化量及びex vivoアッセイであるFPE法によるTTR安定化(%)
探索的評価項目
  • 30ヵ月時点までのNT-proBNPのベースラインからの変化量
解析計画
  • 有効性の主解析対象集団は Full Analysis Set(FAS)とし、その定義は「ビヨントラが 1 回以上投与されたすべての患者」とした。
  • Part Aの主要評価項目「12ヵ月時点までの6MWTのベースラインからの変化量」及びPart Bの主要評価項目「30ヵ月までの投与期間中の全死因死亡及び心血管症状に関連する入院」に対して記述統計量を用いて結果を要約した。6MWTのベースラインから12ヵ月までの変化量では平均値と95%CIを示した。また、全死因死亡では12ヵ月及び30ヵ月時点でのKaplan-Meier法による点推定値とその95%CIを示し、Kaplan-Meier曲線も作成した。心血管症状に関連する入院の累積頻度は、共変量を含まないが各患者の試験期間の対数に等しいオフセット項をモデルに含めた負の二項回帰分析を用いて推定した。また、30ヵ月時点の1年あたりの心血管症状に関連する入院頻度を95%CIとともに示した。
  • Part Aでの成功基準は、6MWTのベースラインから12ヵ月までの変化量の95%CIの下限が-60 mを上回ることとした。
  • Part Bでの成功基準は、全死因死亡のみに基づき、30ヵ月時点での推定生存率がATTRibute-CM試験のプラセボ群を上回ることとした。
  • 6MWT及びKCCQ-OS、血清TTRレベル、NT-proBNPのベースラインからの変化量は、ベースライン値及び来院で調整したMMRMモデルを用いて解析した。

患者背景

患者背景

30ヵ月時点の心血管症状に関連する入院[主要評価項目]

  • 心血管症状に関連する入院イベントは25例中5例(8件)に認められ、その頻度は0.1329回/年でした。
1年あたりの心血管症状に関連する入院の頻度 心血管症状             に関連する入院イベントには心血管症状に関連する入院及             び臨床的に注目すべき事象が含まれた。心臓移植又は             CMADの使用の中間事象は死亡として扱われ これらの中は完了し、これらの中間事象発生後の心血管症状に関連す             る入院は評価打ち切りとした。臨床イベント判定委員会に             よって臨床的に注目すべき事象と判定されたイベントはな             かった。

6MWTのベースラインから12、18、24及び30ヵ月時点までの変化量[主要評価項目、副次評価項目]

  • 6MWTのベースラインから12ヵ月時点までの変化量の最⼩⼆乗(LS)平均は-3.86m(95%CI:-22.85~15.13)であり、95%CIの下限が-60mを上回っているため、Part Aでの成功基準を満たしました。[主要評価項目]
  • 6MWTのベースラインから30ヵ月時点までの変化量のLS平均は-36.20mでした。[副次評価項目]
6MWTのベースラインから30ヵ月時点までの変化量                 (FAS)※ベースライン値及び来院で調整した                 MMRMモデルを用いて解析した。

KCCQ-OSのベースラインから18、24 及び30ヵ月時点までの変化量[副次評価項目]

  • KCCQ-OSのベースラインから30ヵ月時点までの変化量のLS平均は-6.97ポイントでした。
KCCQ-OSのベースラインから30ヵ月時点までの変化量(FAS)※ベースライン値及び来院で調整したMMRMモデルを用いて解析した。

血清TTRレベルのベースラインから30ヵ月時点までの変化量[副次評価項目]

  • 血清TTRレベルのベースラインからの変化量のLS平均は、14日時点で9.73mg/dL、30ヵ月時点で9.36mg/dLでした。
血清TTRのベースラインから30ヵ月時点までの変化  量(FAS)※ベースライン値及び来院で調整した  MMRMモデルを用いて解析した。

NT-proBNPのベースラインから30ヵ月時点までの変化量[探索的評価項目]

  • NT-proBNPのベースラインから30ヵ月時点までの幾何平均倍率変化は1.06でした。なお、30ヵ月時点のベースラインからの平均変化量は53.2pg/mLでした。
NT-proBNPのベースラインから30ヵ月時点までの経                 時的な変化量(FAS)※ベースライン値及び来院で調                 整したMMRMモデルを用いて解析した。

重篤な有害事象

  • 重篤な有害事象は48%(25例中12例)に認められましたが、全例で治験薬との関連性が否定されました。治験薬の投与中止に至った有害事象は8%(25例中2例)に認められました。
  • 本試験では死亡例は認められませんでした。
有害事象の発現状況の概要(安全性解析対象集団)             有害事象の重症度は米国国立がん研究所のCTCAE

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